活 性 酸 素 (2)

平成29年6月29日
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活 性 酸 素

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前ページで酸化から酸素分子の構造までご理解いただけたと思います。

前段が長くなりましたが一般に次の4種類が強力な酸化力を持つ「活性酸素」と呼ばれていますが、過酸化水素以外は聞きなれない名前がついています。

詳しく書ききれていない部分のありますので、ざっくりと酸素原子の外側を回る電子が不安定な状態で他の原子と結合したもので、他の原子から電子を奪う力の強いものだなと考えていただければ良いかと思います。

1.スーパーオキシドアニオン
(スーパーオキシド)

2個の不対電子を持つ酸素分子が1個の電子をとりこんだもの。

過酸化水素以外の活性酸素は不安定なため互いに電子を奪い合い短時間で変化するが連鎖的に電子を奪い合うため全体として長時間存在している事となる。


2.過酸化水素(H₂O₂)

過酸化水素は不対電子を持たないが酸化力が強く鉄イオンによりさらに活性力の高いヒドロキシルラジカル(・OH)に変化する。


3.ヒドロキシルラジカル(・OH)


活性酸素の中では最も活発で強酸化力を持っている。


4.一重項酸素


一つの電子が他方の原子の電子軌道に入り込んだ結果、不対電子は無くなったが、空になった電子軌道が他から電子を奪おうとするため強い酸化力を持つ。


その他の活性酸素

この4種類以外に「一酸化窒素」、「二酸化窒素」、「ベルオキシナイトライト」、「次亜塩素酸」なども含め活性酸素と呼ぶ場合も有ります。

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活性酸素はどうしてできる

活性酸素は紫外線や電子線の照射、化学反応によ発生しますが、体内でも一定量発生します。

細胞内や血液中ではイオン化し複雑な反応を繰り返しますが、細胞内に取り込まれた酸素はミトコンドリアによる複雑な化学反応により最終的に水などに変化します。

水へ変化する酸素分子は最終的に4個の電子を受け取り2個の水分子に変化します、その過程で1、2、3個の電子を受け取った不安定で酸化力の強い活性酸素が発生してしまいます。

白血球も侵入した細菌などを殺すために活性酸素を作りますが、作られた活性酸素は菌に作用するだけでなく周りの組織もむしばみ必ず炎症を起こります。

人には活性酸素の攻撃から身を守るためにSODと呼ばれる酵素をはじめとして様々な酵素が備わっていますが御多分にもれず年齢と共に低下してくるようです。

活性酸素から体を守る

活性酸素対策のための情報は、食品やサプリメントなど沢山提供されています。

「酸化」のまとめを繰り返すと「酸化する」とは

1.酸素と結合する
2.水素を奪われる
3.電子を奪われる

という事です。

酸化を防止したり酸化したものを還元する為には、電子や水素を与えれば良い事になります。

では水素は大気中にどれくらい存在するのでしょうか。

大気中の窒素は体積比で78%ですが、水素はごく微量の0.00005%(0.5ppm)です。殆ど存在しません。

中学生の時に試験管の中の水素に点火して酸素と反応させ「ポンッ」と音を出した覚えがありますが、大気中に沢山の水素があれば、それはそれで安心して生活できません。

体内で水素は作れないと思っていましたが、腸内の嫌気性細菌の一部は水素を作っていると発表されています。

発生量は個人差が大きいそうですが、お腹の中ではメタンガスや水素など結構危険なものが作られています。

水素ブーム

綺麗な女優さん等が水素の効能を宣伝していますが、私たち個人が水素を体に取り入れる方法については、基本的には次の3つのタイプから選ぶことになります。

●水素を専用工場で水に溶け込ました「水素水」タイプ。
●水と反応して水素を出す粉末を「カプセル」などに入れたものを服用したりお風呂に入れるタイプ。
●電気分解により水素を発生させる装置を購入し家庭で水素を直接吸引したり水に溶け込ませて水素風呂、水素水を作るタイプ。

殆どこの3タイプですが、どのタイプも沢山の商品が販売されており選ぶのに苦労するほどです。

水素を体内に取得した効果については数々の論文や体験談が発表されていますが、理論的に活性酸素を減らすことは理解出来ても、巨大な化学工場を凝縮した体内のミクロの細胞や酵素がどのような処理を行っているのか、本当に効果があるのかは、まだまだ分らないようです。

メディアに踊らされて繰り返される数々の健康ブームのように一時的な「水素ブーム」で終わるのか、それとも効果があると解明されていくのか、もう少し時間が必要なようです。

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