古代ローマの暦は１年が１０か月

　紀元前８世紀の古代ローマで最初に作られた暦は１年が１０か月でした。現在のカレンダーにもその名残をとどめています。

もちろんローマ時代は太陽の周りを地球が１０か月かけて回っていたわけではありません。

　ロムルス歴

この暦はローマ建国者の「ロムルス」の名をとって「ロムルス暦」と呼ばれています。

ロムルス暦の１年は厳しい冬が終わり春を迎えた時から始まり再び冬が来るまでの１０か月を１年としていました。

　冬の間は暦も休み

冬が終わり春が来る季節が１年の始まりにふさわしく、活動しない厳しい冬の間の２か月間の暦は無かった 。

　ロムルス暦の１年

ロムルス歴の１年を表にすると、このようになります。

１月	Marius	軍神の名マルス
２月	Aprilis	女神アフロディア
３月	Maius	農業の神マイア
４月	Junius	結婚の神ユノー
５月	Quintilis	５番目の意味
６月	Sextilis	６番目の意味
７月	September	７番目の意味
８月	October	８番目の意味
９月	November	９番目の意味
１０月	December	１０番目の意味
冬 休 み
冬 休 み

現在でも、五重奏はクインテッド、六重奏はセクステッド、七重奏はセプテット、八重奏はオクテッド、九重奏はノテットとそのままですよね。

八本足のタコはオクトパスですね。

　なぜOctober（８）が１０月に！

どうして現在使われているグレゴリオ暦の１０月が８を意味するOctoberなのでしょうか。

その理由の一つは、後の皇帝ヌマさんが、冬の間の暦が無いのは不便？なので１１月と１２月を加えた為です。これがヌマ暦と呼ばれています。

１１月	Januarius	ローマの門神の名前
１２月	Februarius	贖罪の神の名前

この暦も月の満ち欠けを基にした暦なので日数が合わなくなり最後の月の１２月で色々工夫をして調整をしていました。

　ユリウス暦

１０月がOctoberになったもう一つの理由は、「ブルータスお前もか」で知られるジュリアス・シーザー（ガイウス・ユリウス・カエサル）がユリウス暦に変更したためです。

彼の時代になると暦と太陽の動きとの間に１００日ほどのズレが生じていて、彼の権力でユリウス暦に変更した最初の年は４００日を超え歴史上もっとも長い１年とされています。

シーザーはユリウス暦に変更するに当たって１１月１２月を1月（Marius）の前に置き各月の名称はそのままにした。
その為に１１月が１月になり１２月が２月になりました。
各月は２か月分後にずれて現在のグレゴリオ暦でもその名残をとどめています。

シーザーとアウグストウスが月の名になった

また７月と８月の名称にヌマ暦の名残が無いのは次の理由です。

現在の７月である「Quintilis」はシーザーの名前（Julius）に変更され、現在の８月で ある「Sextilis」は次に現れたローマの初代皇帝の称号「アウグストウス(Augustus)」の名称に変更されました。

　自分の名前のつく月を「大の月」へ

さらにアウグストウスは、自分の称号がついた８月が３０日の小の月では権威にかかわると無理やり３１日の大の月に変更しました。現在でも７月と８月は連続して大の月です。

うるう年の調整はなぜ2月

現在の閏年の調整はヌマ暦で１年最後の調整の月であった１２月、現在の２月で調整されています。

余談になりますが、オクトーバーと聞くと何故か、ショーンコネリー主演の「レッドオクトーバーを追え」を思い浮かべます。古い映画なので御存じない方も多いかもしれませんね。