養子縁組 9 (スマホ版)
平成29年6月7日 
(この記事は約2分で読めます。)
特別養子縁組(1)
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特別養子縁組と書くと、今年3月に赤ちゃんの営利斡旋で一般社団法人の代表理事と理事が逮捕された事件が思い出されます。

裁判の結果は分らないが、ニュースでは検察側は冒頭陳述で、被告は「赤ちゃんの未来を救う会」設立にあたり、肝は赤ちゃんの仕入れ、利益が上がれば僕らで分配とメールなどでやりとりをしていたと繰り返し報じていた。

不妊治療専門クリニックの待合室には人が溢れ、一方では施設で18歳を迎える子供たちが溢れている。

制度を生かそうとすれば、誰かがお世話をしなければならない、それには費用がかかる、いや難しい。現実は、こぼれる笑顔と子供の未来を思い浮かべるだけで充分とはいかないようだ。

小さな政府が最高だ、国は警察と軍隊だけでいい、後は民間でうまくやると言いつつ現実は生肝中毒死事件があれば民間の自主規制など無く、国はなぜ禁止しないと迫る。国は待ってました任せなさいと禁止する、禁止すれば生肝が食べられなくなったとぼやく姿がニュースで映し出される。お決まりのパターンが繰り返されている。


昭和62年の民法改正で実親との親子関係をなくす特別養子縁組の制度が作られた。

養親の実の子供として育てたいと思う願いも有るが、制度の目的は強固な親子関係を築く事で養子の福祉向上を図るものだった。

要件については下に記載した民法条文のとおりだが、成立すると養子と実親及びその親族との関係は消滅する。

養親が家庭裁判所の許可審判書謄本などを添えて市町村窓口に届ければ養子の父母欄に養親の氏名が書かれた戸籍が作成され、実親はこの戸籍上には出てこない。正確には身分事項欄に民法何条という記載は残る。

赤ちゃんの未来に幸多からんことを。


(民法)
    第五款 特別養子
(特別養子縁組の成立)
第八百十七条の二  家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。
2  前項に規定する請求をするには、第七百九十四条又は第七百九十八条の許可を得ることを要しない。

(養親の夫婦共同縁組)
第八百十七条の三  養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。
2  夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。

(養親となる者の年齢)
第八百十七条の四  二十五歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。

(養子となる者の年齢)
第八百十七条の五  第八百十七条の二に規定する請求の時に六歳に達している者は、養子となることができない。ただし、その者が八歳未満であって六歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合は、この限りでない。

(父母の同意)
第八百十七条の六  特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。

(子の利益のための特別の必要性)
第八百十七条の七  特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。

(監護の状況)
第八百十七条の八  特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。
2  前項の期間は、第八百十七条の二に規定する請求の時から起算する。ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。

(実方との親族関係の終了)
第八百十七条の九  養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。

(特別養子縁組の離縁)
第八百十七条の十  次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
一  養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
二  実父母が相当の監護をすることができること。
2  離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。

(離縁による実方との親族関係の回復)
第八百十七条の十一  養子と実父母及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。


この記事はおっさんの知識や考えを書いたものなので、この記事に基づくいかなる損害も負いかねますのであしからず。 

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